色彩を求めて
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天王洲アイル「PIGMENT TOKYO」
膨大な色数の顔料と出会う
蟬丸、新たな可能性への挑戦
「独自の絵具を作りましょう!」
すべてはこの一言から始まった。
提案したのは一人の「絵具作家」。昨年夏のことだった。
天王洲アイル「PIGMENT TOKYO」は顔料の楽園。
一般にはあまりなじみのない顔料という言葉。これは絵具を作る上で最も重要な素材です。
世界中の様々な絵具は顔料とバインダー(展色剤)によって作られている。
アルタミラの壁画では赤土などの天然顔料を水(バイダー)で練っていたようだ。
ダビンチの時代には亜麻仁油などの乾性油と顔料=これが油絵の具。
油絵の具が完成される前には主に卵のタンパク質と顔料と練り合わせたテンペラ絵具が用いられていた。一般に馴染みの深い水彩絵の具の場合アラビアゴムが主なバインダーとなる。
蟬丸の造形作品の大半は陶土を素焼し、金属箔、アクリル絵の具、漆塗料などで彩色し、図柄を描いて仕上げる。
しかし素焼き地専用の絵具というものは、そもそも市販されてはいない。需要が限られているからメーカーも開発しようとはしないのだ。そこで蟬丸はこれまで主にアクリル絵の具を用いてきた。しかしアクリル絵の具の場合、発色や透明度、絵具の強度といったことに満足していたわけではないのだ。もっと自由で美しい作品を生み出したい!その思いを実現するため、工房内で蟬丸専用の絵具を開発することになった。
作品の出来栄えを決定する基底剤
最初に取り組んだのは衝撃に弱い素焼きに強度を持たせる基底剤の製作。主にGESSO BOLOGNAといわれるイタリア産出の非晶質石膏を動物性膠液で練ったジェッソ下地が適していることが判明した。その層にチタン酸ストロンチウムを主体としたホワイト顔料を乾性油変性アルキド樹脂をバインダーとして練りさらに綺羅や炭酸カルシウム(貝粉)あるいはケイ酸マグネシウム(天然土)を加えるなどして、作品ごとの微妙なテクスチャー調整を行うことになった。
オリジナル絵具の製作
下地が変われば、用いる絵具も根本的に見直す必要がある。しかもこれまでにない美しさと深さ、独自性を表現したい、というのが蟬丸の願いだ。
そこで絵具の原料、顔料の世界を目の当たりにすることを第一歩と考え、年明け一番「PIGMENT TOKYO」へ足を運んだ。
さて、選定したそれぞれの顔料を蟬丸の繊細な面相筆ワークに応えられる世界で唯一、蟬丸専用絵具を練り上げる仕事が始まる。
PIGMENT TOKYO movie 720p
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